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迷宮譚
やさしい柿の樹
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ある日、ご隠居の清十郎は向島に釣りに出かけます。そのとき,茂みのなかに野ざらしのどくろを偶然見つけます。何かいわくがあるのだろうと気の毒に思い,持ってきた酒を注いでやり一句手向けて帰ります。するとその夜,美人の幽霊が清十郎を訪ねてきて句の徳によって成仏できたとお礼をしにきます。この話を聞いた八五郎は、