八王子車人形西川古柳座

壷坂観音霊験記

大和の国,土佐町(奈良県高市郡高取町土佐)に住む座頭の沢市は、ことや三味線の先生をしながら,美しい妻のお里と仲睦まじく暮らしていました。お里は賃仕事をして家計を支え,貧しいながらもおしどり夫婦として知られてる2人でした。ところが、沢市は、お里が毎夜、彼が寝入ると出かけていくことを知ってしまいます。もしやお里に好きな男でもできたのではないかと疑うようになるのです。が事実は,お里は沢市の目を治そうと,壷坂観音に祈願を続けていただけでした。お里のその気持ちを知った沢市は貞節な女房を疑ったことを詫び,目の治療のため,ふたりで壷坂観音に参詣することを決めるのですが…。