狂言から常磐津により、歌舞伎舞踏化され、その後、義太夫にも直され,文楽の演目に。「松葉目物」と呼ばれるおめでたい演目です。さる大名が従者の太郎冠者を連れて良縁祈願のために西宮戎神社を訪れます。2人は祈り,そしてなぜかまどろんでしまいます。その夢のなかで、2人は釣り針を与えられます。そして、大名は1本の竿で,世にも美しい女性を釣り上げることになるのです。それを見た太郎冠者が自分もあやかろうとしますが、太郎冠者が釣り上げたのは,なかなかいないような醜女。太郎冠者はいやがりますが,醜女は太郎冠者を気に入り,積極的に迫っていきます。徹底的に醜女を避ける太郎冠者とその太郎冠者を追いかける醜女のやりとりが微笑ましい題目です。